愛人や隠し子に相続する権利はあるの?
稀にですが、法律相談をしていると、いわゆる「愛人」には相続する権利があるのか、あるいは、「隠し子」には相続する権利はあるのかと聞かれることがあります。
いわゆる「愛人」とは、交際している方と法律婚をしていない場合を指すことが多いように思います。また、法律婚はしていないが、長年夫婦同然の生活をしているような場合には、内縁関係と呼ばれることもあります。
このように法律婚をしていない場合、原則として交際者の遺産を相続する権利はありません。
これは長年夫婦同然の生活をしており内縁関係にあると評価されるような場合も同じです。
遺産を相続(又は取得)することができる場合
しかし、例外的にではありますが、遺産を相続(又は取得)することができる場合があります。
交際者が遺言を残していた場合
この場合には、交際者の遺産を取得することが可能です。ただし、他に相続人がいる場合には、交際者の遺産の2分の1は他の相続人にも権利があるのでご注意下さい。
「特別縁故者」
民法には「特別縁故者」という制度があります。交際者に法律上の相続人がいないような場合に、交際者と生計を一緒にしていた方や交際者の療養看護をしていた方など、交際者と特別な縁故がある方がいた場合には、家庭裁判所に申請をして、遺産の分与を求めることができるようになります。
そのほか、交際者と内縁関係がある場合には、居住していた建物の賃貸借契約を相続する場合があります(借地借家法36条)。
「隠し子」に相続をする権利はある?
これに対していわゆる「隠し子」には、相続をする権利はあるでしょうか。いわゆる「隠し子」とは、一般に法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子を指してていることが多いように思います。法律上は「非嫡出子」(ひちゃくしゅつし)と呼ばれています。
法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた嫡出子と非嫡出子とでは、かつて遺産を相続できる割合に差が設けられておりましたが、民法の改正により平成25年9月5日以降に亡くなった方の相続に関しては平等に取り扱われることになりました。
そのため非嫡出子の相続を考える場合には、両親との間に法律上の親子関係があるかどうかについて特に注意する必要があります。
民法では、母親と子の間の親子関係は、出産により当然に認められています。そのため非嫡出子であっても、母親の遺産を相続する場合に問題が発生することは稀です。
しかし、父親と子の間の法律上の親子関係は、母親の場合のように当然に認められているわけではありません。
父親と非嫡出子との間に法律上の親子関係が認められるのは、原則として、
①入籍した日から200日を経過したのちに子が生まれた場合
②離婚した日から300日以内に子が生まれた場合
③父親が非嫡出子を「認知」
した場合です。
生物学上の父親であっても、法律上の親子関係が認められない場合には、非嫡出子は、父親の遺産を相続する権利はないことになってしまいます。
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