遺言書の書き方は??要件や注意点を弁護士がわかりやすく解説
自宅で手軽に作成できる「自筆証書遺言」。2020年に法務局での保管制度がスタートしたことで、その関心が高まっています。しかし、法的な要件を満たさない場合には遺言としての効力を失うリスクも伴います。本記事では、自筆証書遺言の基本的な書き方や守るべき注意点について、具体的な例文とともに分かりやすく解説します。
1. 自筆証書遺言とは?
自筆証書遺言とは、遺言者自身が財産目録を除く遺言の全文を自筆で記す形式の遺言書です。
1-1. メリット
- 簡単に作成できる
紙とペンがあれば、どこでも作成可能。手軽に書き直しもできます。 - 費用がかからない
公正証書遺言のような公証人の手数料が不要です。 - 内容を秘密にできる
公開する必要がないため、遺言の内容を他人に知られることがありません。
1-2. デメリット
- 無効のリスク
法的要件を満たさない場合、効力を失います。 - 紛失や発見の困難
遺族が見つけられない、または紛失する可能性があります。 - 改ざんのリスク
他人に書き換えられる可能性も否定できません。
1-3. 法務局による保管制度
2020年7月から導入された「自筆証書遺言書保管制度」により、法務局で遺言書を保管することが可能になりました。この制度により紛失や隠匿のリスクを低減でき、1件あたりの費用は3900円です。
2. 自筆証書遺言の基本例文
自筆証書遺言には、法律で定められた厳格な要件があります。以下にひな型を示します。
例文(ひな型)
私は、以下の通り遺言をします。
- ○○銀行○○支店に預けている定期預金(口座番号○○○○○○○○)は、長男○○○○に相続させます。
- 不動産○○(所在地:○○県○○市○○)は、次男○○○○に相続させます。
令和○年○月○日
遺言者:○○○○(署名)
(押印)
3. 自筆証書遺言の要件
民法968条に基づき、以下の項目を守らない場合、遺言が無効になる可能性があります。
3-1. 全文を自筆で記す
財産目録を除き、遺言書は全文を遺言者が自筆で書く必要があります。パソコンでの作成や代筆は不可です。
3-2. 署名と押印
遺言者の署名と印鑑が必要です。印鑑は認印でも可能ですが、実印の使用が推奨されます。
3-3. 作成日付を明記
日付は「○月吉日」などの曖昧な表現を避け、正確に記載します。これにより複数の遺言書がある場合、新しい日付のものが優先されます。
3-4. 訂正ルールを厳守
訂正箇所を二重線で消し、修正内容を余白に記載して署名・押印を行います。
4. 自筆証書遺言作成の注意点
遺言書を作成する際、次のポイントを押さえることでトラブルを防止できます。
4-1. 財産目録の添付
財産目録はパソコンで作成可能で、必要な場合は通帳のコピーや不動産証明書の写しを添付します。ただし、全てのページに署名・押印が必要です。
4-2. 遺言執行者の指定
遺言内容の実現をスムーズに進めるため、信頼できる弁護士や家族を遺言執行者として指定しましょう。
5. 専門家に相談するメリット
弁護士に依頼することで、以下のようなメリットが得られます。
- 法的要件の不備を回避
- 遺言執行の負担軽減
- 遺留分トラブルへの配慮
まとめ
自筆証書遺言は手軽で便利な一方、法的要件を満たさないと無効になるリスクがあります。不安な場合は、相続問題に詳しい弁護士に相談し、確実な遺言書を作成することをお勧めします。
関連記事はこちら
弁護士法人琉球法律事務所が選ばれる5つの理由
-
- 1
- 累積相続相談実績
1,800件以上
(2016~2024年)
-
- 2
- 初回相談0円
完全個室の相談室
-
- 3
- 軍用地の相続に強い
沖縄の実績多数
-
- 4
- アクセス良好
牧志・美栄橋駅
徒歩10分
-
- 5
- 100件を超える顧問先
から選ばれている
信頼感