平日9:00~17:30 電話で無料相談を予約する

遺産相続トラブルを防ぐ!調停・審判・訴訟の違いと弁護士活用のポイント

遺産分割トラブル解決の方法:調停・審判・訴訟の違いと選び方

遺産分割を巡るトラブルでは、必ずしも訴訟が解決の手段となるわけではありません。調停や審判を活用することで、話し合いや裁判官の判断により解決を目指すケースが多いです。しかし、遺産分割に関連する特定の問題については、訴訟での対応が必要になる場合もあります。

本記事では、調停・審判・訴訟の違いとその活用場面を解説し、遺産相続における最適な解決方法を弁護士の視点から整理します。どの方法を選ぶべきか迷った場合の参考にしてください。

遺産分割の揉め事は調停や審判で解決:訴訟は不可

遺産分割は、家事事件手続法の「別表第二事件」に該当し、訴訟による解決は認められていません。その代わりとして「家事調停」や「家事審判」が利用されます。

解決の流れ:まずは調停、不成立なら審判へ移行

遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てます。この調停では、調停委員が相続人や包括受遺者の間に立ち、合意形成を支援します。

審判の拘束力

審判が確定すると、当事者全員がその内容に従う義務を負い、指定された通りに遺産分割が進められます。

遺産分割調停と審判の違い

遺産分割調停

遺産分割調停は、相続人や包括受遺者が遺産分割の方法について話し合い、合意を形成するための手続きです。調停案に全員が同意しなければ成立しないため、1人でも反対者がいる場合は調停が不成立となります。話し合いを重視する手続きであり、柔軟な合意形成を目指します。

遺産分割審判

これに対し、遺産分割審判は、家庭裁判所が客観的な立場で判断を下し、遺産分割の方法を決定する手続きです。反対者がいても、審判の結論はすべての当事者を拘束します。調停と異なり、解決方法を裁判所が強制的に示すのが特徴です。

審判と訴訟の違い

共通点

審判と訴訟はいずれも対立する当事者間の紛争解決を目的としますが、審判は家庭内の事情に配慮した柔軟な判断を重視します。

主な違い

遺産分割調停・審判の申し立て方法

遺産分割調停の申し立て

以下の家庭裁判所に申立書を提出します。

遺産分割審判の申し立て

法律上は、遺産分割調停を経ずに直接遺産分割審判を申し立てることも可能ですが、実務上はまず調停を試みるケースが一般的です(家事事件手続法274条1項)。調停が不成立となった場合、自動的に審判へと移行します(同法272条4項)。

遺産相続に関して訴訟が行われるパターン

遺産分割そのものは調停や審判で解決されるべきですが、その前提となる法律問題や、関連する別個の法律問題については、訴訟で解決するケースがあります。以下は、遺産相続に関して訴訟が行われる主なパターンです。

 遺産の範囲に争いがある場合:遺産確認訴訟

遺産の中に含まれる財産について相続人間で意見が分かれる場合や、財産隠しが疑われる場合には、遺産の範囲を確定する必要があります。この場合、「遺産確認訴訟」を提起して、相続対象となる財産を裁判所に明確にしてもらうことが可能です。

相続人の範囲に争いがある場合:相続人の地位不存在確認訴訟

ある人物が相続人に該当するかどうかを巡って争いが起きるケースでは、「相続人の地位不存在確認訴訟」が行われます。

遺言の有効性を争う場合:遺言無効確認訴訟

遺言書の内容や形式に問題がある場合、たとえば次のような理由で遺言書の無効が主張されることがあります。

このような場合には、「遺言無効確認訴訟」を通じて遺言の有効性を裁判所が判断します。

遺産分割協議の取り消しや無効を主張する場合:遺産分割協議無効確認訴訟

既に成立した遺産分割協議について、次の理由で取り消しや無効が主張されるケースがあります。

この場合、「遺産分割協議無効確認訴訟」を提起して協議の取り消しや無効を裁判所に求めます。協議が無効と認められた場合、遺産分割はやり直しとなります。

これらの訴訟は遺産分割の前提を明確にする重要なプロセスです。適切な対応をするためには、弁護士の助言を受けながら進めることをおすすめします。

遺産が使い込まれた場合:損害賠償請求訴訟・不当利得返還請求訴訟

相続財産が一部の相続人や第三者によって無断で使い込まれるケースがあります。この場合、他の相続人は以下の手続きを通じて対応できます:

  • 損害賠償請求訴訟
    遺産の使い込みが不法行為に該当する場合、その行為によって生じた損害について賠償を求めるための訴訟を提起します。
  • 不当利得返還請求訴訟
    遺産を無断で取得した者が、不当利得に該当する利益を受けた場合、その利益の返還を求める訴訟です。

これらの訴訟では、使い込まれた遺産の内容や金額を証明するための証拠が重要です。適切な資料を収集し、弁護士のサポートを受けて進めることが推奨されます。

遺留分が侵害された場合:遺留分侵害額請求訴訟

遺留分とは、民法で保証されている法定相続人の最低限の相続権です(民法第1042条第1項)。遺留分が侵害されると、相続人は次の手続きを通じて権利を主張できます:

  • 遺留分侵害額請求
    遺留分が侵害された場合、相続人は不足分を金銭で補償するよう請求できます。たとえば、被相続人が遺言書で特定の相続人や第三者に多くの遺産を譲渡した場合でも、遺留分の権利が侵害されていれば請求することが可能です。
  • 訴訟による請求
    遺留分侵害額請求が協議で解決しない場合には、訴訟を提起して請求します。民法第1046条第1項に基づき、裁判所を通じて不足分の補償を求めることができます。

注意点

  • 遺留分侵害額請求は、遺留分侵害の事実を知った日から1年以内に行わなければ権利を失う場合があります(時効)。
  • 訴訟を避けるためには、事前に遺言書や遺産分割協議において遺留分を考慮することが有効です。

これらの手続きも、法的な専門知識が求められるため、弁護士への相談が重要です。

まとめ 遺産相続のトラブル対応は弁護士に相談を

遺産相続において揉め事が発生した場合、遺産分割そのものについては「審判」で、遺産の範囲や相続人の資格などの前提問題については「訴訟」で解決を図ることになります。

審判や訴訟は、法的な主張と証拠が重要視される対立的な手続きです。適切な対応ができなければ、不利な結論を招き、想定外の不利益を被るリスクがあります。

遺産相続の問題は、専門知識と経験が必要なため、早めに弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は適切な助言を行い、有利な結果に向けて必要なサポートを提供します。

関連記事はこちら

0120-927-122
受付・相談時間 9:00~17:30
沖縄で相続・遺言・家族信託に関するご相談は弁護士法人琉球法律事務所
HOME 選ばれる理由 弁護士紹介 解決事例 弁護士費用 事務所紹介 ご相談の流れ

弁護士法人琉球法律事務所が選ばれる5つの理由

  • 1
    累積相続相談実績
    1,800件以上
    (2016~2024年)
  • 2
    初回相談0円
    完全個室の相談室
  • 3
    軍用地の相続に強い
    沖縄の実績多数
  • 4
    アクセス良好
    牧志・美栄橋駅
    徒歩10分
  • 5
    100件を超える顧問先
    から選ばれている
    信頼感
当事務所が選ばれる5つの理由こちらから

総合メニュー

相続の基礎知識

遺言書について

遺産分割について

遺留分侵害額請求について

相続放棄について

地域別相談

0120-927-122受付時間
9:00~17:30

対応エリア

市別の対応地域
沖縄市、那覇市、宜野湾市、石垣市、浦添市、名護市、糸満市、豊見城市、うるま市、宮古島市、南城市
島尻郡
与那原町、南風原町、久米島町、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村、伊平屋村、伊是名村、八重瀬町
国頭郡
国頭村、大宜味村、東村、今帰仁村、本部町、恩納村、宜野座村、金武町、伊江村
中頭郡
読谷村、嘉手納町、北谷町、北中城村、中城村、西原町
宮古郡・八重山郡
多良間村、竹富町、与那国町
初めての方でも安心してご相談いただける地元沖縄・那覇の法律事務所です。
Copyright (C) 琉球スフィア(旧琉球法律事務所)(沖縄弁護士会所属) All Rights Reserved.