相続手続きについて
葬儀が終わり、一息ついたと思ったら、次は相続の手続きが待っています。しかし、何から手をつければよいのかわからず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
例えば、「父が亡くなったけれど、相続人が誰なのかすぐにはわからない」「父の財産がどこにどれだけあるのかわからない」といった悩みを抱える方がいます。また、遺産分割の話し合いがスムーズに進まず、親族間でトラブルになってしまうことも少なくありません。
こうした問題を防ぐために、弁護士が相続手続きの各ステップをサポートし、必要な調査や書類作成を代行することで、スムーズな相続を実現します。
相続手続きの流れ
相続は、被相続人(亡くなられた方)が死亡した時点から始まります。そこからは、いくつかの期限や手続きが発生します。
たとえば、
・相続放棄の期限:3ヶ月以内
・準確定申告(被相続人の所得税申告):4ヶ月以内
・相続税の申告・納付:10ヶ月以内
と、それぞれ期限が設けられています。
以前は「四十九日法要が終わってから手続きを始める」というのが一般的でしたが、令和の民法改正を経て、早めの行動が重要になるケースも増えてきました。相続開始後は、できるだけ速やかに全体の流れを把握し、必要な手続きを進めることが大切です。
以下は、相続手続きの主な流れです。
1. 遺言書の有無を確認する
相続手続きは、まず「遺言書があるかどうか」の確認から始まります。遺言書が見つかった場合、その内容に沿って相続手続きを進めるのが原則です。
・公正証書遺言(昭和64年1月1日以降作成):公証役場で検索可能
・自筆証書遺言(法務局保管制度利用)(令和2年7月10日以降):法務局で証明書の請求により確認可能
故人の自宅や金庫などから見つかる自筆遺言書は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。(絶対に開けないでください。検認の前に遺言書を開封してしまうと、その遺言は無効になります。)手続きの前に確認しておきましょう。
この通りに進めればOK、遺言書の確認手順
STEP1. 家族に遺言書の存在を確認する
まずは、家族や被相続人の近しい人に遺言書が残されていないか確認します。自宅の金庫や書類保管場所、または被相続人が利用していた銀行の貸金庫などを調べるのが一般的です。また、法務局での保管制度があるので、法務局にも確認します。この場合、自筆証書遺言でも検認は不要となります。
STEP2. 公正証書遺言の有無を確認する
公正証書遺言は、公証役場で作成される公的な遺言書であり、家庭裁判所での検認は不要です。全国の公証役場で保管されているため、最寄りの公証役場で「公正証書遺言検索システム」を利用して確認できます。
STEP3. 自筆証書遺言や秘密証書遺言の存在を確認する
自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかった場合は、開封せずに家庭裁判所に提出して検認手続きを行います。開封すると、罰則の対象となることがあるため注意が必要です。
STEP4. 遺言書がない場合は、遺産分割協議が必要になる。
遺言書が見つからない場合は、法定相続分を基本に相続人全員で話し合い、財産の分け方を決めることになります。この場合、「法定相続人」全員が話し合いに参加し、合意を得なければいけなくなります。
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2. 相続人を確定する
遺産を誰が相続するのかを決める前提として、「相続人が誰か」を正確に特定する必要があります。
そのために、
・被相続人の出生から死亡までの全戸籍
・改製原戸籍、除籍謄本などを収集し、法定相続人を調査します。(法定相続人についてはこの後解説していきます。)
場合によっては、家族も知らなかった認知された子の存在や、養子縁組、届け出忘れの離縁などが発覚するケースもあります。相続人調査は慎重に行ってください。
法定相続人とは?
遺産を相続できる人は民法によって定められており、これを法定相続人と呼びます。配偶者は常に相続人となります。また、配偶者以外の相続人には順位があり、順位が高い人がいると、次の順位の人は相続人になりません。
<相続人調査の注意点>
1、相続人が全員調べられていない→遺産分割協議が無効になります。
2、認知症の方がいる→法定後見制度の利用
3、相続人に未成年者がいる→特別代理人の選任が必要
4、行方不明の相続人→家庭裁判所に失踪宣告を申し立てるor不在者の財産管理人を立てることが必要
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戸籍を集めたら、相続人関係図を作る
戸籍をもとに、相続人関係図を作成します。 相続人関係図は、相続手続きの資料・遺産分割協議の根拠材料として利用されます。
用途1:銀行・証券会社での相続手続きや、不動産の名義変更(相続登記)を行う際に、添付書類として提出を求められるケースがあります。
用途2:相続人関係図は、遺産分割協議書を作成する際の「根拠資料」として活用できます。協議書には、法定相続人全員の署名・押印が必要ですが、誰が相続人にあたるのかを戸籍上で証明できる形にしておきます。
相続人関係図を作成する時の注意点
1、抜け漏れが発生すると、遺産分割協議が無効に。
相続人関係図を作成する際に、まず最も大切なのは、戸籍に基づいて正確に作成するということです。家族の記憶や口伝えだけで作成してしまうと、実際の法定相続人とは異なる人物を記載してしまうおそれがあります。特に注意が必要なのは、認知された子どもや養子縁組された人物、さらにはすでに離婚した元配偶者との間に生まれた子どもなど、戸籍をしっかり確認しなければ見落としがちな存在です。
2、相続人や金融機関、法務局といった第三者にもわかりやすい図を。
最終的には、提出書類・根拠の書類となるため、第三者にもわかりやすく、正確に記載する必要があります。相続関係が複雑な場合や相続人が多いケースでは、記載漏れや同じ人物を重複して記載してしまうといったミスも起きやすくなります。一人ひとりの戸籍を丁寧に読み取り、すべてのつながりを確認しながら進めることが大切です。
当事務所では相続人調査・関係図の作成が可能です!
▼私たちができること
・相続人の調査
・相続関係図の作成
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相続人関係図の見本
3. 相続財産を調査・把握する
相続の対象となる財産は、いわゆる「プラスの財産」(預貯金、不動産、株式など)だけではありません。
相続が発生すると、借金(負債)も相続の対象になります。借金を把握しないまま相続すると、知らないうちに借金を引き継いでしまう可能性があるので、注意しましょう。
基本的に、経済的価値のあるものはすべて遺産となります。 自宅を中心に、金庫や引き出し、棚、仏壇など、大事なものを保管している場所を探し、金融機関の通帳や各種利用明細などから財産や負債の状況を確認することが重要です。
この時点で、借金が多すぎるのであれば相続放棄を検討することになりますし、プラス財産が多ければ遺産分割協議へと進みます。
また、遺言書がある場合は、遺言に記載された財産と実際の財産が一致しているか確認することも重要です。
プラスの遺産例
●現金・預貯金 ●不動産(土地・家屋) ●不動産上の権利(賃借権・抵当権など) ●動産 (自動車・貴金属・骨董品・家財道具など) ●有価証券(株式・債券など) ●生命保険契約に関する権利(被相続人が契約者であり、被保険者ではない保険契約の権利) ●その他債権・財産(売掛金・貸付金・損害賠償請求権・ゴルフ会員権など)
マイナスの遺産例
●負債(借入金・ローンなど) ●公租公課(未払いの所得税・住民税・固定資産税など) ●その他債務 (買掛金・未納税金未払代金・預かり敷金など)
遺産に含まれないもの
●祭祀財産(墓地・仏壇・位牌など) ●香典 *1 ●葬儀費用
*1 香典は喪主への贈与となります。 贈与税は課税されません。
遺産を調べたら、一覧表にまとめる(遺産目録の作成)
プラスの相続財産だけでなく、 借金などのマイナスの相続財産も含めて調査した遺産の内容を一覧表にまとめておきましょう。
遺産目録を作成する際の注意点
遺産目録は、「相続の設計図」のような役割を果たす重要な書類です。特に財産が多岐にわたる場合や相続人間で意見が分かれそうな場合は、弁護士に相談しながら、正確かつ公平な遺産目録の作成を心がけましょう。
1. 遺産を隠さない・漏らさない
相続財産を意図的に隠したり、一部の相続人にのみ開示するような行為は、後々の紛争や遺産分割協議の無効を招く恐れがあります。専門家に依頼すると、より公平な遺産分割協議ができるようになります。
・相続人全員に情報を共有すること
・疑義がある財産については、専門家に調査を依頼すること
2. 財産は「プラス」と「マイナス」の両方を記載する
遺産目録には、現金・預貯金・不動産・有価証券といったプラスの財産だけでなく、借金・ローン・未払金・保証債務などのマイナスの財産も正確に記載する必要があります。
※見落としがちな財産:
・故人名義の株式や投資信託
・クレジットカードの未払残高
・車両ローン、住宅ローン
・保証人としての債務など
3. 財産の評価はできるだけ客観的に
不動産などは、固定資産税評価額や不動産業者による査定、相続税評価額など、客観的な基準をもとに記載すると、後々のトラブルを防げます。預貯金の残高や有価証券の価値も、「相続開始日(被相続人が亡くなった日)現在のもの」を正確に調べることが大切です。
遺産目録の見本
4.遺産分割協議書の作成
亡くなられた方が遺言を残していない場合は、相続放棄した方を除いた相続人全員で遺産分割協議を行って遺産の分け方を決め、遺産分割協議書を作成しなければなりません。
相続人同士で協議がまとまらない場合は、相続人が共同または個別に家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てることが可能です。もし調停でも解決に至らない場合は、自動的に審判手続きに移行します。
遺産分割協議書を作成する時の5つのポイントとは?
①遺産分割協議は相続人全員で行わなければ効力がありません。相続人調査の上、間違いの無いように注意してください。遺産分割協議は、全員が一堂に会して協議する事までは要求されませんが、他の相続人に、内容を確認してもらったうえで、実印を押してもらう方法が取られております。
②法定相続人全員が、署名・捺印をします。印鑑は実印を使わないと、不動産の名義変更や銀行の手続ができません。
③財産の表示方法に注意が必要です。不動産の場合、住所ではなく登記簿どおりの表記にしてください。銀行等は、支店名・口座番号まで書いてください。
④割印が必要です。遺産分割協議書が用紙複数枚にわたる場合、法定相続人全員の 実印で割印(契印)してください。
⑤印鑑証明書の添付が必要です。遺産分割協議書には、実印の押印が必要ですが、それと共に印鑑証明書も添付してください。
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5.相続の名義変更(相続登記)・預貯金の引き出し
相続が起こった場合、被相続人名義の不動産登記簿を相続人名義に変える手続をする必要があります。この手続きを相続登記といいます。相続登記は2024 年4月から申請が義務化され、相続で取得したことを知った日から3年以内に手続きをする必要があります。
不動産の名義変更(相続登記)と、預貯金の引き出し方法の2点について見ていきましょう。
相続登記のやり方
・物件所在地を管轄する法務局へ登記申請します。
◆名義変更に必要な書類
● 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本
● 法定相続人の戸籍謄本
● 被相続人の住民票(本籍地記載)または戸籍の附票
● 法定相続人の印鑑証明書(銀行は、3か月以内のもの。登記は期限無し)
● 遺産分割協議書
● 遺言書または遺言書情報証明書
● 不動産の固定資産税評価証明 など
◆登録免許税
相続登記の登録免許税として固定資産評価額の 4/1000 が必要となります。
預貯金の引き出し方
名義変更に必要な基本書類 ( 協議書もしくは遺言書または遺言書情報証明書・法定相続人の印鑑証明書・被相続人の戸籍謄本・法定相続人の戸籍謄本 ) の他に、下記の書類等が必要になります。
◆必要書類
・金融機関所定の払い戻し請求書
・被相続人の預金通帳と届出印
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・相続登記一式・付随する調査・書類
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相続手続きは非常に煩雑で、銀行や法務局、税務署など多くの機関への届け出が必要になります。しかも、期限が決まっている手続きもあり、のんびりしていると大きなトラブルにつながることも。
例えば、相続税の申告には10か月という期限があり、それを過ぎると延滞税が発生します。また、相続放棄には3か月の期限があり、知らないうちに多額の借金を相続してしまうことも。
こうしたリスクを避けるため、弁護士が相続手続き全般を代行し、依頼者の負担を大幅に軽減します。
相続人調査
「亡くなった父には、実は前妻との間に子どもがいたらしい……」
相続では、思わぬところから新たな相続人が見つかることもあります。相続人の範囲を正しく確定しないと、後々「相続手続きが無効になった」などの問題が発生することも。
弁護士が戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せ、相続人を正確に調査することで、トラブルを未然に防ぎます。
財産調査・確定
「父はどこにどんな財産を持っていたのだろう?」
相続では、プラスの財産(預貯金、不動産、株式など)だけでなく、マイナスの財産(借金やローン)も引き継ぐことになります。財産の全体像がわからないまま相続を進めると、思わぬ借金を背負うことになるかもしれません。
弁護士が銀行や証券会社、不動産の登記情報などを調査し、財産を正確に把握することで、安全な相続をサポートします。
遺産分割協議書の作成
「兄弟で話し合って、遺産の分け方を決めた。でも、これってちゃんとした書類にしないといけないの?」
遺産分割協議書は、相続人全員の合意を正式な形にするための重要な書類です。これがないと、不動産の名義変更ができなかったり、預金が引き出せなかったりと、相続手続きが前に進みません。
弁護士が法的に有効な遺産分割協議書を作成し、将来的なトラブルを防ぎます。
相続放棄
「父に借金があったと聞いて不安……」
相続では、財産だけでなく借金も引き継ぐ可能性があります。しかし、相続放棄をすれば、財産も負債も一切受け取らずに済みます。
相続放棄には家庭裁判所での手続きが必要ですが、「3か月以内」という期限があります。弁護士が期限内に必要な書類を作成し、家庭裁判所への申立てをサポートします。
相続登記・名義変更
相続財産の中でも特に代表的なのが不動産です。亡くなった方(被相続人)から財産を受け継いだ相続人へ、不動産の名義を変更する手続きを「相続登記」といいます。
これまで相続登記には期限の制限がなく、手続きをせずにそのまま放置しても特に罰則はありませんでした。しかし、2024年4月1日から相続登記が義務化され、一定の期限内に手続きを行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
さらに、この義務化は2024年4月1日以降に発生した相続だけでなく、それ以前に相続した不動産も対象となります。まだ相続登記を済ませていない方は、早めに手続きを進めることをおすすめします。